Description
発行年度:1980年
発行国 :英国
鑑定機関:NGC
グレード:PF 70 ULTRA CAMEO
発行枚数:10,000枚
重量 :約15.98 g
直径 :約28.4 mm
表面 :エリザベス2世 第2肖像
裏側 :聖ジョージ竜退治
1980年にセット(5ポンド、2ポンド、1ポンド、ハーフポンド)で1万枚発行された中の2ポンド金貨となります。
通称ヤングエリザベスと呼ばれており、若いエリザベス女王はモダンコインの中で圧倒的な人気を誇ります。
鑑定枚数は下記の通り(NGG総鑑定枚数:244枚)
2023年4月12日時点
エリザベス2世の栄光の治世を表裏に余すところなく表現するモダンコインの大作
1980年から4年間(1983年度版のみ未発行)にわたって発行された現英国女王エリザベス2世の治世を代表するこのソブリン金貨は、その稀少性と豊かな芸術性によって英国モダンコイン最大の人気作として不動の地位を築きました。その人気の源は表面に刻まれた現英国女王エリザベス2世若き日の気品あふれる肖像で、1970年代のロイヤルミントを代表するコイン・デザイナーにして英国を代表する名彫刻家として名を馳せたアーノルド・メイチンの人生を代表する大作とされているものです。
細長く引き伸ばされた胸部から頭部にかけての頸筋は、若くして大国に君臨する運命を担うことになったエリザベス2世の凛として美しくも気高いオーラを醸し出しています。女王の頭部を彩る宝飾品は「大英帝国とアイルランドの少女たち」という華麗な名を冠する英国王室屈指の名品で、女王お気に入りのティアラであることからメディアに映し出される機会の多いものでもあります。
崇高な趣を湛えた女王の胸像の周囲には「神の恩寵によるエリザベス2世・女王にして忠誠の守護者」と厳かな文言が続きます。ジョージ3世の治世下に彗星の如く現れ、瞬く間にロンドンのコイン制作界の寵児となった稀代の才人ベネデット・ピストルッチ。その有り余る才能を駆使して生み出したのが英国コインの永遠のテーマである「聖ジョージの竜退治」です。
この優れた意匠を裏面に描く当ソブリン金貨は、英国における伝統の継承がコイン界においても例外ではないことを証明して見せました。過去200年以上にわたり、国王の至高の王権の象徴として数々のソブリン貨の裏面を彩ってきたこの屈指の名作は、4年間にわたって発行されたエリザベス2世のためのソブリン金貨に捧げられるだけの正当性を併せ持つものです。馬に跨って敵対する悪の権化であるドラゴンを一撃の如く退治する聖ジョージの勇壮な姿は、全世界に広がるイギリス連邦を宗主として牽引し、全ての臣民の頂点に立つ馬上のエリザベス女王を想起させるものです。
デザインの特徴
【表面】
この2ソブリン金貨は、エリザベス2世の治世下に発行されたソブリン金貨としては初となる「第2肖像」を表面に描くもので、次の「第3肖像」が導入される1985年までの間、英国本国のみならず、ロイヤルミントによる傑作群を代表する金貨として世界的な人気を獲得しました。
ソブリン金貨上に初お目見えとなった女王の「第2肖像」ですが、歴史的な秘宝「大英帝国とアイルランドの少女たちのティアラ」を頭上に戴く壮年期の女王の気高い横顔を浮き彫りにしたデザインは当金貨ならではの絶対的価値であることから、発行と同時に例外的な注目を集め、20世紀後半の英国王室を象徴する伝説的コインデザインとして認知されるに至ります。
【裏面】
コイン裏面にはお馴染みの「聖ジョージの竜退治」の名場面が描かれていますが、この英国貨幣史上屈指の人気を誇るデザインを生み出したピストゥルッチは、19世紀前半のロイヤルミントにおいてワイオンと人気を二分した偉大なるコインデザイナーとして歴史上に名を残しています。悪の象徴であるドラゴンを一撃の下に槍で退治する馬上の聖人の姿は、偉大なる国家を統治し、国民に平和をもたらす永遠の君主像と見なされることから、歴代のソブリン金貨の裏面を飾るにはうってつけの題材でした。
当2ソブリン金貨は、20世紀から21世紀にかけて英国を牽引することを運命づけられた名君エリザベス2世の栄光の治世をコイン表裏にドラマティックに表現するモダンコインの大作として、今後一層の脚光を浴びることは間違いありません。
価値・希少性
「エリザベス2世 2ポンド」硬貨のPF70UCAMグレードは、1980年発行の珍しい硬貨で希少性も高く、市場では入手困難な硬貨となっています。
過去のオークション相場の傾向
オークション価格は、下記となります。
2022年3月27日に186,514円で落札されました。
(計算式:975£×164.84×1.1*1.055)